「空から駆けてきた神………」

朝目が覚めると………パジャマといっしょに………この重たいゴムの塊のような私のカラダも脱がしてほしいな………フッと頭のなかを過ぎった………そんな想念がカラダにひろがる前に………ベットからカーテン越しに外の曇り空をのぞいて………まだ降っていないぞ………それ行け………車椅子につかまり家の前のガタガタ道を歩きだすと………お隣の奥さんが「今朝はお宅の方から頻りに鶯の鳴き声が聴こえるわ」と話しかけられた。

不思議なことに………歩ける自分のカラダが………歩けない自分のカラダを背負って……歩いている………史跡公園の一角の………私の好きな畑まで歩いて来た時………(空を駆けて来た神が畑の中の……欅の木に降り立った………)中上健次の小説の一節が頭にふっと浮かんだ……空から神が欅の木に降り立つなんて!素敵……曇天のなかで様々な鳥たちが鳴いている………何処にいるか姿は見えない………。