今朝も雨………でも、いいや………カッパを着て外歩きにでよう………いつも歩く道は決まっている…………いつも同じ場所で同じ鳥が囀っている………いつも同じ場所で同じ虫が鳴いている……………でも、昨日は今日ではない。
今日の新しい出会いが、重く乾いたわたしの朝のカラダに瑞々しい水を注いでくれる………前に首部を垂らし、ビニールカッパにパラパラと雨の打つ音を耳にしながら、黙々と歩ていると………頭のなかがこんがらがってきた………困ったな………と思って目を上げると家の前にいた。
細江英公先生もべらちゃんも、あっという間に彼方の方へ逝っちゃった。悲しいことが多過ぎるよ。
今日は一日中雨………外は静かだ………暮れるのが早くなる。久しぶりにリルケの詩を読もう。
「秋」 リルケ/高安国世訳
木の葉が散る、遠いところからのように散る。
どこか空の遥かな園が冬枯れていくように。
木の葉は否むような身振りで散ってくる。
そして夜々、重い大地は
星々の間から寂寥の中へ落ちてゆく。
私たちはみな落ちる、
そうして他の人々を見るがいい。落下はすべてにある。
だがこの落下を限りなくおだやかに
その手に受け止めてる一人のひとがある。