一日が数秒で過ぎ去って消えていく。今日、わたしは何をしたのだろうか?
7時半に家を出て歩きだす。朝の光の中に、まだ夜の冷気がのこっている。砂袋のように重たい体をできるだけ垂直に伸ばし、視線はできるだけ遠くの方に………鴉の鳴き声…………風の音………水たまりに映った空の青と雲………路傍の花たち………わたしの周り全てが無感動に通り過ぎて行く。
今日一日、わたしは何をしたのだろうか?
日暮れどき、中庭でミツタケが親しい友人たちとバーベキューを始めた。やがて陽がとっぷり暮れて、わたしのベットからカーテン越しに、人影の間から肉を焼く赤い炎が見えた。