朝方、キャンバスに向かって油絵を描いている夢を見た。
ずいぶん以前、まだ絵筆を持つことができた頃、突然、絵(それも油彩の)を描きたくなり、公民館の油絵教室に申し込んだ。月に2回公民館に通って、夢中になって油彩画を描いた。色を重ねて、重ねて………次の朝、下地から浮かび上がってくる色を見るのが楽しみだった。前日の夜の光のなかで………これはすごい!………と喜んだ色は、明るい朝の光のなかでみると、なんと凡庸で、つまらない色!と、いつもがっかりした。それでもめげずに、数年間油絵を描いていた。やがて、指の変形が進み、硬くなった絵の具のチューブが出せなくなり、筆を持つことが困難になり………少しも上達しないまま、絵を描くことをやめた。今でも、物置にガラクタになった私の油絵が何枚も入っている。
今朝、夢から覚めても嬉しい気分がつづいた。あの頃より、もっと自由になって絵を描けるかもしれない、と想うだけでも楽しい………。
9時に外に出て歩き出すと、ヘルパーの小笠原さんが「おはよー、ヒサコサン」と言いながら自転車で追い越していった。お仕事に行くのだろう。
なぜか今日は鳥の鳴き声がなかった。
初めての油絵「バラ」