朝の目覚め……久しぶり灰色の空………アスファルトの道路脇が濡れている………夜半に雨が降ったらしい。

立ち並ぶ桜の樹々のなかで、さまざまな蝉が「我、ここに在り」と、命のかぎり鳴いている。

ミ〜ンミ〜ンミ〜ンミィン……シャシャシャシャア〜……ジジジジジジィージィージィー姿は見えない………響きの中に蝉の命が聞こえる……私のカラダに蟬のひびきが充される。

鴉が大声で鳴きながら、私の頭上で旋回してながら………仲間同士で会話をしている………「キョウモ ヨチヨチト ヒサコサンガ アルイテイクゾォー」………と言ってるみたい………バタバタと大きなカラスが、私の行手の道に影を落として飛び去っていく。

何時も、わたしは「エム〜ゥ エヌ〜ゥ」と、心に響かせながら歩いている。そうするとカラダに力が湧いてくるから不思議だ。