いっとき話題沸騰していた『国宝』という映画をプライムビデオで観た。ベットに寝ながら携帯の小さな画面で3時間………最後の方は………まだあるの?………なんて些か呆れながらも………しっかり最後まで付き合ってしまったのは『国宝』という映画とは全く離れて………「連獅子」「二人道成寺」「鷺娘」………歌舞伎座の雰囲気「曽根崎心中」の名場面………「芸」と「血筋」……任侠の世界………歌舞伎町育ちの自分を思い起こすのに十分な映画だった。
昭和50年に明大前から新宿西大久保(現・歌舞伎町)に一家で引っ越して直ぐ私は、明治通りに面した花園神社の参道の直ぐ横の日本舞踊先生のところにお稽古に通いはじめた。お稽古場で出会ったフジコちゃんとトヨコちゃんは私と同い年。異母姉妹のフジコちゃんとトヨコちゃんのお父さんはその当時新宿を縄張りにしていた尾津組の親分。我が家の直ぐ近くに尾津組の家がありよく遊び行き、帰りは何故か若い男の人が家まで送ってくれた(きっと組の子分だったのだろう)。小学校6年生まで日本舞踊のお稽古に通う間に「連獅子」「道成寺」「鷺娘」もお習いした。
ある時、新聞の三面記事の端に小さく尾津喜之助と写真が載り「あっ、トヨコちゃんフジコちゃんのお父さんだ」とびっくりしたのを思い出す………映画『国宝』を観ながら……私はもっぱら自分の歌舞伎町の懐かしい想い出に浸っていのだ………フジコちゃんトヨコちゃんどうしているかなぁ〜………楽しかった子ども時代の歌舞伎町………闇もあり光もあり………人情も非情もありであまりにも人間臭い………あの頃の歌舞伎町………私の大好きな町!
