「暑さ寒さも彼岸まで」……やっと夜のクーラーから解放され………お墓参りもままならず(お父さん、お母さんゴメンネ)………今朝の外歩き、木綿の長袖ジャケットを着込んで出かける………秋が来た!
連休最後の日…………家の中も外も静かだ………本を読もう。
高橋巖著『ヨーロッパの闇と光』を再読する。
………ゲーテ(対象的思惟)・ヴァーグナー(愛の思想)・パルジファルとグラール伝説・グラール探求者ーフリードリヒとクレー………
先生の文章から、言葉から、わたしのうちにたしかな何か(言葉にできない何か)が流れてくる。
「グラール探求者ーフリードリヒとクレー」から
「………矢印というシンボルには人間の本質を暗示する力がある。それはいかに私がこの流れ、この湖、この山をこえて、到達距離を特定の方向へ向ってひろげようとしているかを示す。人間は肉体上の無能力とは反対に、理念的には地上的超地上的なものを任意に踏破出来る能力をもつが、このことが悲劇の根源でもあるのだ。能力と無能力との対立が人間存在の基本的在り方を示し、半ば翼をもち、半ば地上に囚われているのが人間である。そしてこのような対立が非常に容易に精神の頽廃をまねきやすい状態だ、ということをクレーは非常によく知っていたに違いない。………」