記憶の風………。

千章さんが、期間限定で無料公開されてるYouTubeの情報(今年度ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンさんに平野啓一郎さんがインタビューしている)を送ってくれた。テーマは光州事件を描いた『少年が来る』について。1980年5月韓国で起きた反政府騒乱事件。
ちょうどその1ヶ月前の4月19日に私たちは家族で西ドイツに移住し、5月にナンシーの演劇祭に招聘され、初めてのフランスで、風薫る5月の光あふれる聖霊降臨祭を愉しんでいた………記憶の底から、限りなく当時の風景が浮かんでくる。

早速、千章さんが送ってくれた映像を開けてみる。ハン・ガンさんは1970年生まれ(長男チカシと同い年)だという。彼女が10歳の時に起きた自国の残虐な事件をテーマにした小説。平野さんの問いに答える彼女の面立ち、話し方は限りなく静かで、冷静で、温かで、深い。11月に重版が出るらしい。早く、読みたい。