明日は七草粥を食べる日、とヘルパーの山内さんが薄暗く小雨の降る中を帰っていった。そう言えば、ドイツで今日は「神さまが顕れる日」(エピファーニアス)だ。日本では明日、神さまがおかえりになる日。
久しぶりの雨。カラカラの東京にはいいお湿りだけど………静かな一日。
岡真里さんの『世界』の記事「ナクバという《ジェノサイド》抗すべきは「大量虐殺」だけではない」を読み返す。かなりの長文。イスラエルがガザ地区の大学、大学教授たちの多くを、爆撃で絶滅していく。文化、教育機関の破壊の恐ろしさを叫ぶ岡真里さんの必死な声がわたしの魂を揺さぶる。
ハン・ガン 「光と糸」(ノーベル文学賞受賞記念講演)のなかのことばを書いてみる。
現在が過去を助けることはできるか? - 過去が現在を助けることはできるか?
生者が死者を救うことはできるのか? - 死者が生者を救うことはできるのか?
世界はなぜこれほどに暴力的で、苦痛に満ちている?
と同時に、世界はなぜこれほどに美しいのか?
キッチンに座って、背もたれに重たい頭を委ねて、瞼を閉じ、頭のなかで、岡真里さんのガザの現状を想像してみる。ハン・ガンさんのことばを反芻する。頭のなかで四つの?マークがぐるぐる回っているうちに、うとうと夢をみていた。気がつくと隣で、叡がニンニクを炒めて、パスタを作っている………何もできない私だけど、まだ歩くことはできる。鳥の声を聴ける。道端の小さい花は見える………。