「お互 朽葉のように 地に落ちて行きましょう」

横浜に住む建築家 の村山雄一さんからお便りが届いた。

「去年 ヨチヨチ歩きの道すがら 拾い集めた落ち葉をば、もう捨てちまえと思いきや、チョットマッテクダサイ、と、ヨリ集マリテ 何トヤ ガサガサ ゴソゴソ コレハ ドウデスカ ⁉︎⁉︎ ……………………」

と、毛筆で書いた言葉と落ち葉を重ねて印刷したお手製の便箋に、ペンで「久子さんは末期とありましたが、お互い朽葉のように 地に落ちて行きましょう」と添えてあった。

筆もペンもままならない私は、心の中で「お久しぶり!40年前、Stuttgart でお目にかかって以来かしら……。長い道のりでしたけど、本当にお互い、美しい色を纏った落ち葉のように、風の中をひらひらと、たのしく自由に舞いながら、地に落ちて行きましょうね」とお返事しながら、冷たい風のなかに、春の予感を思いながら、カートを押して散歩に出た。