「バラ色ダンス」を観る。

昨日急に、青山のゲーテ・インティトゥートに川口隆夫さんの構成・演出の「バラ色ダンス」を、ミツが誘ってくれたので観に行くことにした。ぜひ観たいなと思っていたが、すっかり諦めていた。車での往復、車椅子に長いこと座っていられるか………いろいろ不安はあったけど、行ってしまった。なんといっても、タイトルが「バラ色ダンスー純粋性愛批判ー序章」ですもの!

私が土方巽さんの「バラ色ダンス」を信濃町駅の隣の千日谷公会堂で観たのは、私がまだ二十歳そこそこの頃。舞台で繰り広げられるダンサーの一つ一つの行為を、ただただ魅入っていた自分を思い出す。会場入り口に大鴉がいる籠があったり、舞台の袖では、裸体の男の背中に、絵師が色鮮やかに女陰を描き始めたり………何も何かもびっくり仰天。意味はわからないけど何かが深く詰まっている未知の芸術世界……世の中は、安保闘争、ベトナム戦争、学生運動……熱気あふれた時代だった………観る方も演じる方も真剣そのもの………まだ学生だった私が観た土方さんの「バラ色ダンス」面白かった。

そして昨夜、78歳を前にして、今日の「バラ色ダンス」を観ることができ、再び、舞台で繰り広げられるダンサーの一つ一つの行為に、びっくり仰天……いつのまにか習慣化していた私のものの見方に、バラ色の照明をあててくれた舞台。やっぱり、思い切って観に来てよかった。面白かった。

ローマから、レイジ3人組の本番無事終了とのラインが来た。いつでもどこでも新しいものが生み出されている。

静かな夜………「カラマーゾフの兄弟」の続きを読む。さまざまな思いが、こころのうちに去来してくる。