ブッシュ孝子全詩集「暗やみの中で 一人枕をぬらす夜は」を読む。
私のカラダのすみずみまで差し込んでくる美しい光……透明で目に見えないど………。
私の身体が痛みと闘っている時は
私の心は必死で それに耐えている
私の心が苦しみと闘っている時は
私の身体は一生けん命 それに耐えている
ああ いつになったらお前達二人
手をとりあって喜びあう日がくるのだろう 10/6
迷子の小鳥は
わたしの窓辺にとんでおいで
私の手の中で
お前はきっと忘れた歌を思い出す
迷子のそよ風は
私の窓ガラスを叩いておくれ
私はお前にふるさとへの道を教えてあげる
迷子の流れ星は
私の窓辺に落ちておいで
私はお前を赤いローソクにともして
この世の闇を照らしだそう 11/18
失うという事を
知らない人がいる
得るという事を
知らない人がいる
なんだか最近は
そんな可哀そうな人ばかり 1/21
ブッシュ孝子全詩集「暗やみの中で 一人枕をぬらす夜は」より
1945年3月20日生まれの詩人は、1944年12月10日生の私とほぼ同い年。同じ頃、大学を卒業し、不安と希望とともに自分の人生を歩み出し、結婚し、病を得て………。癌のため28才で早逝した詩人の魂は、光の言葉を纏って、私のカラダに命の食べ物を与えてくれる。