ゲーテとカリオストロ

ぼぉ〜としていたら、もうそこまで春が来ている気配がある。はやいなぁ〜、時間がどんどん飛んでいく。52年前の今頃、我が子が生まれる日が、モーツァルトと同じ誕生日1月27日でありますようにと真剣にを祈っていた若かった自分を思い出す。祈りは叶えられず27日を通り越して、節分に男の子が生まれ、チカシと名付けた。写真家になった彼は、今年1月25日私を被写体にして撮った写真集『Stuttgart 』を出した。長い道のりだったようだけど、時間は消えて、全ての記憶が美しく私のカラダの内側を満たしている。世の中は、相変わらず、オミクロン オミクロン………。散歩もままならない日は、本でも読んで………。

パレルモでゲーテがカリオストロの家を訪ねる箇所。何度読んでも面白い。大嘘つき(?)のカリオストロに負けず劣らずゲーテも大嘘つき⁉︎ イギリス人に成り済ましたゲーテが、カリオストロの家族の中に入って、カリオストロの母親に、堂々と嘘を言う場面。それを涙ながらに聞き入るカリオストロの母親。ラテン人のオーバーな仕草を観察するゲーテ先生。聖なる涙とちゃらんぽらんな陽気さ。ラテン民族とゲルマン民族とアングロサクソン人が一緒にお芝居をしているのを観ているようで、嬉しくなる。大文豪ゲーテのお茶目な人間性! 好きだなぁ〜。