ドイツの子ども手当

今日の朝日の「天声人語」にドイツのことが書いてあった。
「ここ数年、多くの難民を受け入れたドイツの判断には驚かされた。そして現地を訪れて感じたのは、来た人を受容する構えが存在することだ」
2018年から遡ること38年前の春、家族5人でシュッツトガルトに移り住んだ頃、ドイツでは、ボートピープルと呼ばれるベトナム難民を多く受け入れていた。10才だった長男のチカシの初めての外国人の友だちも、母親が老人ホームで働いているベトナム人の男の子で、すぐに仲良しになり、子どもたちの素晴らしい親和力に勇気づけられたのを思い出す。
それともう一つ、思いがけずびっくりしたことは、シュッツトガルト市からこども手当(Kinder Geld )が、毎月支給されることになったこと、しかも三人の息子たち全員に!
もう忘れてしまったが、当時国分寺市からは、三男が生まれた時に一回だけ少額のお祝い金を貰ったように記憶している。レイジとチカシの時は、何もなかったと思う。
日本でもここ数年の間に、子ども手当については議論されて制度も整ってきたのだろうが、およそ40年前のドイツにはまだまだ及んでいない。なにしろ、ドイツに留学しにやって来た外国人の家族の子どもたちみんなに、子供手当を出すなんて‼️(確か、支給金も下の子になるに従って高額になる)それによって、どんなにか助けられたことか。感謝しても余りがある。今から思うと、確かな経済的な保証も持たず、家族五人でドイツに行くなんて、何と無謀なことをしたものか、と我ながら呆れるばかりで、むしろドイツ国家の方が、私たちのような在り様に驚いていたのではないだろうか。
「来た人を受容する構えが存在する」を読んで、さすがドイツ、と嬉しくなった。