三月になって

2月の大雪で庭に積もった雪が消えると、初冬に植えたムスカリの芽が並んで土から頭を出していた。春がくるのだなぁ〜、ホッとするのもつかの間、今日はまた冷雨の一日だ。
春になると、お花やさんの店先は、優しい淡い色合の、香り豊かな花々が溢れるほど並び、心もうきうきと街に繰り出して、映画でも観て、お茶でもして、などという気分になったものだが、そんな楽しい気分にならないのは、年のせいもあろうが、そうでもない。
3年前の3月11日の東日本大震災以来、的を得た言葉を見失い、言葉が相手に届かなくなり、次第に不安な気分が日々の基調となりつつある。
思えば、東京大空襲、地下鉄サリン事件、イラク戦争開始、東日本大震災、そして今日のウクライナ情勢悪化、なぜか全て3月に起こっている。
雪に覆われた冷たい大地から、健気に光に向かって伸びてくる小さな植物の芽を見ながら、R・シュタイナーの「魂のこよみ」を心に響かせてみる。
Im Licht, das aus Weltenhoehen/Der Seele machtvoll fliessen will,/Erscheine,lösend Seelenrätsel,/Der Weltendenkens Sicherheit,/Versammelnd seiner Strahlen Macht,/Im Menschenherezen
Liebe weckend.
宇宙の高みから力強く/魂の中へ流れこむひかり、/その光の中には魂の謎を解く/宇宙思考の確かさがある。/この光線の力を結集して/人の心の中に愛を目覚めさせよう。(高橋巖訳)