「人間性の輝き」

いいお天気!何もしたくない気分に光が差し込んで………リハビリのミルノさんと外歩き。すっかり萌色に衣替えした「桜の園」から史跡公園ヘ………遠くにシルバーのシミズさんの声が聞こえる。呼んでみると、草取りの作業姿で「ずいぶん歩けるようになったねぇ!近いうちに庭を見にいくよ」と言いながら寄ってきてくれた。

いつものコースを一巡りして帰宅し、あらためて我が家の庭を眺めると、明るい陽射しを浴びて、まだ若くて柔らかな雑草たちがサワサワと春風に揺れている。

夜、朝日の夕刊「大江さん、知遇の恩義に報いたい」という中国の作家、鄭着(チョンイー)の寄稿文を読む。

「確かに戦争は残酷ですが、奥底まで透徹するならば人間性の輝きも見出されます。激戦中でさえ停戦し、両軍が戦死者の屍体を埋葬したり、釣った魚を輪になって焼きながら笑い合う等々。」

言葉に、音楽に、人間性の輝きを託されて、先に逝かれた大江健三郎、坂本龍一、そして今日、詩人の富岡多恵子の訃報を知る。