何処に行くの  私たちの地球星?

朝から、冷たい雨。花冷え……貧しい庭で、やっと咲き出した水仙やクロッカスが震えている。

ウクライナとロシアの戦争は、まだ続いている。

どうして人は、線引きするのが好きなのだろうか?
民族と民族、国と国、宗教と宗教、内と外…………。

昔読んだことがある。パレスチナは土地の名前。そこに住んでいる人はみんなパレスチナ人ーアラブ人もユダヤ人もー。共に共存していたという。世界大戦後、土地を線引きし、国境ができ、イスラエルとアラブの争いはいつまでも終わらない。

3月3日から6日まで、50年前に我が家の庭に手造りで小さな稽古場を建て「天使館」と名付けた。以来初めて、天使館の床で稽古した人たちが16人集い、天使館ポスト舞踏公演『牢獄天使城でカリオストロが見た夢』を行った。世田谷パブリックシアターの、一つの舞台空間の中で、即興で、振付で、ブトウで、コンテンポラリーで、オイリュトミーで、みんなそれぞれが自由にカラダに向かって、自分を踊った。

これから、地球星はどうなってしまうのだろうか? 共食い星になっていくのだろうか⁉︎

毎日、曇空のような気分の中で、びっくりするような嬉しいことがあった。長年、勝手気ままに書き散らしてきた雑草のような私の文章が一冊の本になったのだ。制作、編集、装丁、全てを引き受けてくれた、マコト、ヒトミ、モッズ、ナカゾウは、若い有能なクリエーターたち。『カリオストロの夢……』の初日に合わせて、楽屋に出来立ての本を持ってきてくれた。

タイトル『野うさぎの滑走   一匹のトカゲが 焼けた石の上を 過ったー昭和・平成・令和を笠井叡と共に生きる』     笠井久子

若い人たちの温かさに触れて、わたしの心に美しい光が差し込んで………。

装丁のナカゾウさんは、詩人片山令子さんのご子息。

そして、 今日は、2018年の春「さよならはいらない」と言い残して、ひかりの国の住人になってしまった令子さんのご命日。

あれから毎日、私は、空の白い雲で旅する令子さんとおしゃべりしている。

ひかりと微風と白い雲、小鳥たち、花々、小さな虫たち………人々の温かい心………みんな一緒に歩んでいる。