太陽の恵み

朝方、目が覚めると、カーテン越しに秋の光が差し込んでいる。わぁ〜嬉しいな……何が嬉しいのか、さっぱり分からないけど………太陽の光は、壊れていく体に大きな恵みをもたらす。

水平生活も5ヶ月目になり、今では、昼間は長いこと垂直生活ができるようになり、自分でも驚いている。40年も前から、知らず知らずのうちに自分の物質体が壊れていくのを見てきて、遂に、もうダメだ、と思った時、何故か、目の中にピラネージの「幻想の牢獄」の版画が浮かんだ。吹き抜けの大広間の至る所に上方に向かう螺旋状の階段や梯子、橋が描かれているが、どれもどこかで切断されて……大広間の天井の小さな穴から、光が差し込んで………うろ覚えの版画が、その時の私の身体の内部の様子を写しているように思った。階段も梯子も橋も、上と下、横と横を繋ぐもの。光の差し込む広間は明るい。

あちこちと繋がらない体ではあっても、お日様を見ると嬉しくなるよ。