手紙(1980.11.21) クリスマスにおばあちゃんがやって来る!

早くも、今日はおおつごもり。日に日に時間の速度に付いて行けなくなる。それにしても何と明るく暖かな年の暮れだろうか。来年は、内も外も明るく暖かな年になりますように。
さて35年前のこと。10月25日にアキラが一時帰国しStuttgartの戻り、その年のクリスマスには、おばあちゃんが日本からやってくる事になった。
1980年11月21日(木曜日)
アキラの突然の帰国、短い間で慌ただしく、大変お世話さまでした。さて、今度はお母さん、12月17日の飛行機の正確な時間をお知らせ下さい。必ず、お迎えに行きます。クリスマスに欲しい物は、いろいろありますがあまり重くない程度に、おもち、ふじっ子、漬け物など。でも、おばあちゃんがこちらに来られる事が、子どもたちへの最大のプレゼントですから、ご無理のないように。チカシは「おばあちゃんが独りで来るのは大変だから、本なんかは、送ってくれればいいよね」と言っています。毛糸はこちらにありますし、編み棒も持っていますが、編み物の本が是非欲しいです。こちらは、11月初めは、とても寒い日がありましたが、ここ1週間は、暖かく、春のようで、少々不安です。また何時あの寒さがやってくるのか、と思うとです。チカシもレイジも元気に学校に通っています。レイジも来週からは、11時45分までになります。週3時間/ロシア語、2時間/英語、2時間/宗教、その他は、手芸、音楽です。ロシア語は全く分かりませんから、レイジが授業で聴いてきた言葉と動作を合わせて「それは、人形の事じゃない?」とか「取る、じゃない?」とかみんなで想像ごっこをして遊んでいます。「立て」のことは「スタイヨット」、英語の「stand up」にちょっと似ているね、などと、言ったりして。チカシのHaupt Unterricht(基本授業)は、ドイツ語文法で、とても難しく、チカシだけ別の老婦人の先生が、個人指導してくれます(レイジも15分、1対1で教わります)。日本人の友達も「よかったね!」と喜んでくれました。みんな私たちの子どもたちの事を、とても心配してくれています。ドイツに長くいらっしゃる柳さんの奥さんに話したら、「それはとても恵まれていて、人によっては、学校に馴染めず、遂に辞めさせたり、外人労働者の子どもたちだけと遊ぶので、ドイツ語を覚えられず、親子共々円形脱毛症になったりして、とても苦しんでいる方もいます」と言っておられました。チカシは、昨日から週一度、フラウ・ウールバッハにドイツ語の読み方を教えて頂く事になり、今、グリム童話を読んでいます。日本語の本も少しは読んで欲しいのですが、そちらは相変わらず「明日のジョー」に夢中。親も子も闘争の日々です。そこで、月末に山崎さんと二人でだけで、コルマールに行ってもいいという事になり、久しぶりに、子ども3人から離れられるので、バンザ〜イです。その様子はまた手紙に書きます。お元気で。久子