桃の節句ー二人の私

今日は3月3日お雛さまの日。今から52年前、私はアキラと結婚し、以来今日のこの日まで、よくぞ一緒に生活してこられたことか!と、思ったとたん、頭の中で52年前の3月3日に時間がワープした。そして、24歳と23歳の、まだまだ世間知らずの若い私たちの結婚式を温かく見守ってくださった、大野一雄ご夫妻、土方巽氏、澁澤龍彦氏、矢川澄子氏、吉岡実氏、加藤郁乎氏、森谷均氏、常住郷太郎氏、高井富子氏………と久しぶりに邂逅し、ひとしきり楽しくお話した。
その日も今日と同じように、ほんのりと冷たい空気の中に、春の陽光が溢れて……
一瞬にして、52年後の今日に戻ると、新型コロナウィルスの不穏なニュースばかり。免疫力のない私にとっては、危ないなぁ!
街の花屋さんにピンクや黄色や白など甘い香りの花々がいいち早く並ぶ嬉しい時なのに。
今では、大野先生ご夫妻も土方さん、澁澤さん、澄子さん………誰も見えないけど、私のカラダのなかには、彼らの温もりが確かにある。その温もりに包まれて、23歳と75歳の2人の私が同居している。。