秋の日

どうなることやら、と思っていた「笠井叡 日本国憲法を踊る」も先週の日曜日に無事終わった。その日は、奇しくも大野一雄先生のお誕生日。台風一過の翌日、澄み切った秋の空から「カサイサン、カサイサン(生前大野先生は,アキラをそう呼んでいた)もっと静かに、静かに、ゆっくり、ゆっくり・・・」などと呟かれていたのではないだろうか。取りあえず、多くの方にご覧頂き、感謝、感謝。
秋になると、5年間暮らしたドイツのStuttgartが無性に恋しくなる。透明に張りつめた空気の中で、Silber Wald(銀の森)の樹々の葉は、黄金色に染まり、その1枚1枚の重なりの隙き間から、美しく淡い陽の光が差し込む。冬支度に入る前の秋の一日、子どもたちのお楽しみ、Strasse Fest(ご近所祭りとでも言おうか)が行なわれる。隣近所のお父さんたちは、協力してテントを張り、グリルの炭火を熾して肉を焼く準備をする。とりどりの秋の実りの果実で、おいしいケーキを焼くのは、お母さんの仕事。一時の楽しみが過ぎ去ると、冬が一気にやってくる。
もうかれこれ30年以上まえの風景。でも秋になると、その時の空気の冷たさ、匂い、光の色,風の音が、からだのなかに蘇って・・・などと、心地いい秋の陽だまりで夢想に耽っていると、名古屋の中村眞貴子さんからメールが届いた。
曰く「いよいよ、『蝶たちのコロナ』の名古屋公演です」そうだ!名古屋で初めての天使館オイリュトミー公演が、間もなく幕開きする。
11月8日(金) 18:30開場/19:00開演 愛知芸術文化センター小ホール 前売り2700円 当日3000円
30年前のある秋の日、シュツッガルト・オイリュトメイム日本公演で来日された、叡のオイリュトミーの師、故エルゼ・クリンク女史は、叡の舞踏の師である故大野一雄先生と対面なさった。対極の、偉大なふたりの師。このおふたりも透明な秋空のむこうで、静かに幕開きを待っていらっしゃるような・・・。
乞うご期待!!