芭蕉を踊る

文芸春秋から出ている長部日出雄さんの「古事記の真実」を、こちらに来てから二回読みました。そのなかに印刷術が発明されてからも、ヨーロッパではかなり長い間、書物は黙読ではなく、音読されていた、と書かれています。
今日、CNDCのワークショップの最後は、松尾芭蕉の俳句をフランス語訳で即興的に踊る、と言う課題に取り組んでもらいました。俳句こそ、音読しなければ、言葉の味はでてきませんが、そのフランス語で五七五のリズムをイメージしながら読むと、声明のようなこれまで聞いたことが無い美しさを感じました。アナリサの朗読は母音をぎりぎり延ばせるだけ延ばしてなを、フランス語の語感を保っていると言う感じで、その朗読で動いた参加者の感じがとてもよかったのです。ちなみにテキストは
Viens me voir ici         這出(はいいで)よ
De sous la magnanerie       かひがや下の
Une voix de crapaud        ひきの声
そのあと、「自身で声を出しながら動く」と「声を抜いて、発声力をカラダに流しながら動く」を交互に何度も行ないながら踊っているうちに、多くの異なった民族の人たちが集まっているこのクラスの中に、言葉とカラダが解け合っていく空気が漂い始めました。
皆、日本に来たがっていましたよ。
スタジオの三階に住んでいる通訳のYUKOが、その後カレーパーティーを開きました。CNDC の五日間のWS,終了。