雪の翌日

昨日、東京に雪が降った。11月の東京の雪は、実に50数年振りだそうだ。そして今日、初冬の透明な青空に太陽が輝いている。11月25日はアキラの73回目の誕生日。
 Tomb la neige
 ゆきぃ〜はふる〜〜 あなたは こないい〜〜  
 
アダモの「Tomb la neige」をアキラが舞台で踊ったのは、いつのことだったけ。確か40年ぐらい前の12月、もうじきクリスマスというので、我が3人のわんぱく小僧たちは、サンタさんが何を持ってきてくれるか、日がな一日お祈りしたり、いい子になったり、大賑わい。そんなお祭り騒ぎのようななかで、アキラはひたすら、迫り来るソロ公演の作品創りに没頭。ついに衣装が決まらず、本番の日の朝を迎えた。えい、これでいこう!とアキラが選んだのは、いつも着ている膝が抜けかけよれよれのコールテンのズボンととっくりの黒のセーター。つまり、普段着。
いつものカサイさんがそのまま、当時有楽町にあった第一生命ホールの舞台に現れ、アダモを踊った。
舞踊評論家の故市川雅さんが、その踊りをとても喜んで「なんと笠井は膝が抜けたコールテンのズボンで登場したよ」おかしそうに、笑って言われたそうな。
背水の陣の普段着も、聞くところによると、結構評判が良かったらしいので、ひとまず安心。
ところで、アダモとアキラはともに1943年11月生まれ。しかも、アキラの大好きなシチリアで生まれたそうだ。
 Tomb la neige
Tu ne viendras pas ce soir
 ・・・・・・・
時が過ぎても、雪が降るとアダモの歌声が聴こえる。
哀しく、切なく、恋人を想う歌声。
歳はとっても、いつまでも心はロマンティストでありたいなぁ〜。