2008.12.17

あれよあれよという間に、今年も大詰めだ。2008年はトラムの「透明迷宮」公演から始まって、2月はワシントン、6月ローマとナポリ、8月ブラジル、9 月シンガポールと、思い返すと随分あちこちと出かけたものだと我ながらあきれる。そうこうしているうち、叡は今年11月25日から国民年金を受給できる歳 になった。前方を走っている先人たちの多くの光を感じながら、我が道を懸命に走っているうちに、気がつくと前方は次第に闇になって来た。でも道がある限り ストップするわけにはいかない。
ダンサー黒田育世は、子どもの頃、亡くなったジョルジュ・ドンの踊る「ボレロ」の舞台を見て、思わずお漏らしをしてしまったそうだ。それを聞いて、納得し た。私はいつも彼女の舞台をみると、作品の善し悪しは分からないが、”この人は踊りを食べて生きているんだなぁ、踊りを食べる人種特有の光の匂いがする” と密かに思っていたからだ。そうしたら、叡に来年3月のBATIK(黒田育世率いる女性だけのダンスカンパニー)の公演の振付け依頼が舞い込んだ。そして 今叡は、黒田育世のソロ「ボレロ」を含め、作品全体を振付けながら、毎日若いダンサーたちと作品創りに取り組んでいる。
先週末、九州で2年ぶりに叡のオイリュトミーのワークショップがあったので一緒に出かけた。
私にとって九州は、身内のような気安さとなつかしさがある。それはそうだ、ワークショップの中心メンバーとは、もう35年以上前からのお付き合い。久しぶ りに会うと、「ヘェ~、あかちゃんだったのに、もうそんなに大きくなったの!」とか「癌の手術をしてね」とか「子連れ離婚したので、働かなければ・・」な どなど、さまざまな人生が満載だ。そしてワークショップ。それぞれが自分に向かい合う真剣な時間・・。とはいえ、オイリュトミーが出来ない私は、小粋なパ ン屋さんでコーヒーと手造りパンを楽しみながら読書の時間。電話も宅急便もない贅沢な昼下がりをたっぷり楽しんだ。
なんといっても、同じ時代にカラダの中に同じ光を秘めている仲間が在ることは 素晴らしいことだ。
厳しい世の中だけど、来年もがんばろう!