2009.9.2

8月18、19日の吉祥寺シアターでの公演「犀」を終えて、その翌々日からローマに来ている。フィミチーノ空港に迎えに来てくれたマダレーナが、あまりの 暑さに驚く私に、直ぐ「今日は38度。でもこれは週末まで。日曜日からは少し涼しくなるわ」と慰めてくれてから、今日はもう9月だ。一向に暑さは衰えな い。
今回叡が振付けをする“リオス”カンパニーとは、彼がマリア・ピアに招かれてローマのグレコ劇場で踊って以来10年の付き合いだ。その間、マダレーナは ジョルダーノと結婚するし、ピントスはアレキサンドラと別れ、ステファーノは、叡のローマでのワークショップにフランスのナンツから参加したカミーユを射 止め、フラヴィオはナポリのマリーテレーズに振られ・・・。ローマに来る度に、さまざまな人間ドラマの展開が待っている。が、ダンスカンパニーとしての “リオス”は一向変わらない。私にとって、そんな彼らは何とも言えず人間味があり、暖かく魅力ある仲間たちだ。
さて今回は一ヶ月かけて、叡が彼らのために振付け作品を創ることになり、猛暑の日々、連日7時間の稽古に励んでいる。一年前に叡が彼らに選んだテキスト は、先の吉祥寺シアターでの公演「犀」のテーマと同じアントナン・アルトーの「ヘリオガバルス―または戴冠せるアナーキスト」。
叡のソロ公演も何回か行なって馴染みが深くなっているテアトロ・フリオカミロで9月18、19日に本番を迎える。そして翌20日には、15日に日本から ローマにやってくる4人の男性オイリュトミストと叡が、吉祥寺シアターでの公演「犀」をフリオカミロで再演することになっている。
いよいよイタリアとの縁は深まるばかりだ。