EURYTHMIE WS 12 IN HP akira kasai 5/31

ka
WS 12
今日で5月も、おしまいです。ついに、この2ヶ月、私は家の近辺以外のどこにも出かけることなく過ごしました。明日、6月から少しずつ生活を変えていきたいと思います。天使館関係のダンスやオイリュトミーの講座も、今できる、可能な形態で、少しずつ再開できればと思っております。
今日のオイリュトミーWSは、子声の「K」を取り上げます。
日本語の七十五声の中で「k行」は「天火水地」においては、「天」に分類される子声です。イメージ的には、「神」「輝く」「光」「極」「君」「頭かしら」「金」とかの言葉と結びついていますね。皆さんもご存知でしょうけれども、古代エジプトに「KA」という神話的な動作があります。
マンフレート・ルルカーというドイツのエジプト学者が、この「KA」について、およそ次のように述べています。
  KAは生命を創造し、維持する力を表す言葉である。古代においては、「KA」は生命の根源的な力である。それは一人の人間(アンドロギュヌス)の中の男性的能力のことであり、それは生命の象徴である牛(カー)を意味する言葉の音声を作り上げている。同時にそれはすぐに精神的、霊的な力を意味するようになった。形象文字では、左右の両手に直角にあげている姿である。
神話的には、KAは人間が誕生する以前から存在し、誕生とともにその人間と一体になり、再びその人間が死ぬと、KAはそのまま人間から離れて生き続け、生命の根元に還る。それは人体の根本を生かす力であるが、物質的な食物ではなくて、人間の最も霊的な食物である。そこで、エジプトでは、すべての生産物はまず最初にこのKAにささげられた。
エジプト神話的に言うならば、今の私たち自身の中にも、このKAが働いていて、もし私たちが自分のカラダの中にkAを見いだすことができるならば、人間のカラダはただ単に神々によって作られた体ではなく、人間自身がその力を「身体創造」として用いることができる、ということを意味しているのでしょう。kAは両手を左右にまっすぐに伸ばし、肘のところで手のひらを内側にして直角に曲げた姿勢です。これは子声のK、音階で言うF の音からGのへ移行する、そのちょうど中間のところに当たります。直立に立って、この姿勢をしばらくのあいだ続けていますと、カラダの中に、ある変化が生じてきます。最初に心臓周辺の力が次第に強まっていき、その力が喉を通って上顎と下顎の方に流れるようになります。丁度子声のKを発声しているときの口の形です。
そして左右の両手の十の爪のところに向かって、上下の口の歯の力が流れるようになります。
心臓と歯と十の爪が一つの力の流れの中で結びつけようになりましたら、そこで、声を出さずに全身でKA声を発声します。さらに、吸気発声において、全身に嗅覚の力を流し、その力が心臓と歯と爪の流れと合流するように、繰り返し練習します。
次に子声の「KI」を右手を上に次に左手を上に左右交互にとりながら、無声で子声KIを全身に流します。この時この力は左右の聴覚に結びます。
次にこのKAとKIを嗅覚・聴覚を交えてカラダに変化が生じるまで、交互に繰り返しとります。
次に胸の高さのところで子声のKOを一回づつ、両手を下に下ろしながら十回とります。次に、
KO・KA・KI   KO・KA・KI   KO・KA・KIをKOを喉に、kAを嗅覚に、KI を聴覚に結びながら、耳鼻咽喉が一つに結ばれて、目に「見えないカラダ」の中心点となるまで続けます。