夏の青空と白い雲。洗濯だぁ〜、と心が弾んだところで、自分の体に気がつく。主婦業の一つとして洗濯干しなど当たり前にやってきたのに、三ヶ月前突然100パーセント主婦業ができなくなり、何から何まで人の手を煩わせなくてはならないとは!

と思いつつもついつい、ベット上から「誰か、早く洗濯物を干してよぉ〜」と大声を出してしまった。

人は誰でも、支えられて生きているという実感。支える人と支えられる人。いままでの私が、クルリと180度反転し、人に支えられる私が、支える私をみると、なんと思いこみが強い手前勝手な私であることよ…これでは、神さま「これでいいよ」とはおしゃってはくださらないだろう。

命を支えあうって、難しいなぁ…。

だんだ暗くなるキッチンの椅子に座って、中庭の杏の木の葉が、夏の夕暮れの微かな風に揺れ動くのをながめる。百日紅の花の紅紫の色が夕闇のなかに失せ………

稽古場の窓が明るくなる。オイリュトミーの稽古が始まるらしい。