「Ich kann nicht auferstehen!」と、私がちょっと呟いたら、すかさずレイジが「えぇ、ヒサコサン、復活できないの?」と言うので「起き上がれないだけよ」と言った。たまにカッコ付けやてドイツ語なんか口にするから、間違える。

auferstehenは復活. aufstehen は立ち上がる.

突然。寝たきり状態になるとは、私自身が驚いているのだから、周りの人たちは、もっとびっくりしただろう。致し方ないが、急遽介護ベットを借り、一階の居間にいれ、二階から四人がかりで、マットに包んだ私を運び、無事に寝たきり生活が始まる。

78年生きて来て、再び、幼な子に…⁉︎

なんて、麗しい日々は来ない。10日前の日常生活が、180度ひっくり返ったのだから。天井を眺めながら「洗濯機のボタンは」とか「切手の引き出しは」などと、家族のみんなに指示を出す日々が続いている。

あぁ、もうすぐ ”麗しの5月”    聖霊が降りてくる月。

明日も、美しい光がさしますように。