土方さんの思い出
私が初めてアンジェに来たのは、2010年の春のことだ。アンジュ城の近辺の路地には、小さな商店が並んでいて、お気に入りの店(小さな小物の店とか、文房具屋さんなど)を見つけると、何度も足を運んで、お土産選びを楽しんだものだ。 …
私が初めてアンジェに来たのは、2010年の春のことだ。アンジュ城の近辺の路地には、小さな商店が並んでいて、お気に入りの店(小さな小物の店とか、文房具屋さんなど)を見つけると、何度も足を運んで、お土産選びを楽しんだものだ。 …
サンナゼールには正味2日しかいなかったが、奇妙な印象の町だった。 サンナゼールは、第2次世界大戦でドイツ軍に占領され、終戦間際アメリカ軍によって解放されたが、町は完全に壊滅したと言う。今でも埠頭には、占領時にドイツ軍が造 …
昨日の午後、アンジェから新幹線で1時間、大西洋に面した漁港St.Nazaireにやって来た。エステルが用意してくれた1等車の座席には、パリから乗ってきたと思われる上品な老婦人がふたりが既に座っていて、ポニーテールの髪型で …
昨年暮れ、エマニュエルは、8年間努めたCNDCの芸術監督をめでたく退任した。彼女自身はもう少しCNDCで仕事を続けたかったらしい。留任の運動もあったらしい。でもいいではないか、ダンサーに肩書きは必要ない。踊り子は自由が何 …
アンジェに来て1週間経った。昨夜4回目の『Spiel』の公演を済ませた後、バーでワインを一杯と、という若いスタッフたちに、「またあしたね!」と挨拶を交わして、CNDCを後にした。体の中に燠のように残っている今日のパフォー …
いつの間にか、国分寺の杜から聴こえていた除夜の鐘が、八幡さまの大太鼓の音に変わっている。志村ふくみ先生から頂いた先生の『薔薇のことぶれ』—リルケ書簡ーを読んでいるうちに、ふと気が付くと2012年が過ぎ、新しい年が明けてい …
もう直き、1月23日が過ぎ、24日がやってくる。外は雪だ。部屋を暗くすると、私の机の前の窓を通して、お隣の本多さんの広いお庭が、真っ白に浮び上がって見える。窓を開けると、冷たい空気がきもちいい。寒いけど美しい。 昨年の暮 …
エッセイストの山本ふみこさんから頂いた本「そなえることは、へらすこと。」(メディアファクトリー)を読んだ。日常の暮らしの中で(特に、この度の大震災のあと)著者が、感じたり思ったりしていることが、明快、率直な言葉で綴られて …
11月30日の夕方、現代思潮新社の川辺さんから、現代思潮社元社主の石井恭二さんの訃報が届けられた。享年83歳。特にこの一年叡の心にはいつも石井さんのことが気になっていたようで、「今度一度訪ねようね」と口にしていただけに、 …
いよいよ明日は日本に帰る。 今年の春、多くのひとをのみこんだ日本の大地にふる雪を、痛ましいほど白いと感じたのはついこの間のこと。早くも再び雪の季節が巡ってくる。 5月にフランスのアンジェとアネシー、7月にはイタリアのトス …