土方さんの思い出

私が初めてアンジェに来たのは、2010年の春のことだ。アンジュ城の近辺の路地には、小さな商店が並んでいて、お気に入りの店(小さな小物の店とか、文房具屋さんなど)を見つけると、何度も足を運んで、お土産選びを楽しんだものだ。 …

サンナゼール

サンナゼールには正味2日しかいなかったが、奇妙な印象の町だった。 サンナゼールは、第2次世界大戦でドイツ軍に占領され、終戦間際アメリカ軍によって解放されたが、町は完全に壊滅したと言う。今でも埠頭には、占領時にドイツ軍が造 …

踊り子人生

昨日の午後、アンジェから新幹線で1時間、大西洋に面した漁港St.Nazaireにやって来た。エステルが用意してくれた1等車の座席には、パリから乗ってきたと思われる上品な老婦人がふたりが既に座っていて、ポニーテールの髪型で …

年の終わりから始まりへ

いつの間にか、国分寺の杜から聴こえていた除夜の鐘が、八幡さまの大太鼓の音に変わっている。志村ふくみ先生から頂いた先生の『薔薇のことぶれ』—リルケ書簡ーを読んでいるうちに、ふと気が付くと2012年が過ぎ、新しい年が明けてい …

雪が降る

もう直き、1月23日が過ぎ、24日がやってくる。外は雪だ。部屋を暗くすると、私の机の前の窓を通して、お隣の本多さんの広いお庭が、真っ白に浮び上がって見える。窓を開けると、冷たい空気がきもちいい。寒いけど美しい。 昨年の暮 …

山本さんの言葉

エッセイストの山本ふみこさんから頂いた本「そなえることは、へらすこと。」(メディアファクトリー)を読んだ。日常の暮らしの中で(特に、この度の大震災のあと)著者が、感じたり思ったりしていることが、明快、率直な言葉で綴られて …

石井恭二さんの訃報

11月30日の夕方、現代思潮新社の川辺さんから、現代思潮社元社主の石井恭二さんの訃報が届けられた。享年83歳。特にこの一年叡の心にはいつも石井さんのことが気になっていたようで、「今度一度訪ねようね」と口にしていただけに、 …

明日は日本へ。

いよいよ明日は日本に帰る。 今年の春、多くのひとをのみこんだ日本の大地にふる雪を、痛ましいほど白いと感じたのはついこの間のこと。早くも再び雪の季節が巡ってくる。 5月にフランスのアンジェとアネシー、7月にはイタリアのトス …