昭森社の森谷さん

「春の訪れ」を書いてから、もう「秋の訪れ」が来てしまった。春から初夏、盛夏から晩夏。私は一体何をしていたのだろうか。 9月初め、横浜能楽堂での「左右左」公演が終わったので、久しぶりにアキラと神保町の岩波ホールに映画を観に …

春の訪れ 

「須賀敦子の手紙 1975-1997年 友人への55 通」を読んだ。須賀敦子さんの私信がそのままの形(便箋、絵葉書、AEROGRAMME、美しいお菓子の包み紙、切手etc)で印刷されていて、友に語りかける言葉がブルーブラ …

雪の翌日

昨日、東京に雪が降った。11月の東京の雪は、実に50数年振りだそうだ。そして今日、初冬の透明な青空に太陽が輝いている。11月25日はアキラの73回目の誕生日。  Tomb la neige  ゆきぃ〜はふる〜〜 あなたは …

雨あがりの散歩

2、3日前の夕方、日がな一日降り続いた雨があがり、湿気を含んだ蒸し暑さの中を、アキラと散歩に出掛けた。空一面に広がった灰色の雲の向こう側が、地球の陰に隠れようとしていた陽の光に照らされて、灰色の空一面が一瞬ピンクに染ま …

来年100歳になるキミコさんのお話

来年5月に、目出度く100歳を迎えるアキラのお母さんのキミコさんは、毎日朝と晩、今住んでいる老人ホームから私の携帯に電話をして来る。 「ちょっと、お声を聞きたくて。ここではお友だちがいないの。何時来て下さる?えっ?何日? …

いつも思うこと

東京国立近代美術館に行く道すがら、いつも思うことがある。国分寺から中央線で中野まで、中野で地下鉄に乗り換えて竹橋まで、とすこぶる快適な直線コース。ところが地上に出るまでの階段の、あとわずか2、3段という所で、手すりが突然 …

育世さんの「きちんと立ってまっすぐ歩きたいと思っている」を観た。

1週間前、黒田育世さんの新作公演「きちんと立ってまっすぐ歩きたいと思っている」を観た。チラシの墨絵のように、育世さんの脚がギューンと天に向かって弧を描き、カラダの内から音が聞こえ、色が現れ、花が咲きはじめ、微風がそっと吹 …

暑い夏の日に

毎日の新聞で、ちょっと気になって切り取った記事が箱一杯に詰まっているので、思い切って大学ノートに貼付けてスクラップブックを作ってみた。その中の2006年10月7日の朝日新聞夕刊に、米国ペンシルベニア州にあるアーミッシュ= …

ダンサーによる、批評視座

ダンサー主義と作品主義 ある辞書で「ダンス」という項目を引いてみましたら、「意識された人間の身体運動」、という言葉に出会いました。誰が書いたものかわかりませんが、これほど簡潔に「ダンスとは何か」を言い表した言葉はないかも …

自爆テロは最終自己表現か 18

純粋な「祭り」としての太古の神聖戦争、それはほとんど今日文献としては、残っていないでしょう。けれどもそのような神々と人間との結びつきの中において行われた、この純粋な祭りとしての戦争が、まず人類の歴史の黎明に存在していたの …