30年ぶりの手紙

昨日、叡のもとにスイスから一通の手紙が届いた。ドイツの友人クルツ・リヒターからだ。なんと30年ぶり。1980年の春、子どもたちと一緒に、西ドイツ(当時はまだ東西が分裂していた)のシュツットガルトに渡った直後、クルツは私達 …

細江英公先生のお祝いの会

「細江英公氏の文化功労者顕彰を祝う会」に、叡とともに出席した。会場となった新宿京王プラザホテルのエミネンスホールは、これまでの先生の偉大な功績をたたえて、各方面から集った多くの方々で賑わった。 会場で、詩人の白石かずこさ …

ゆきがふる

数日前、新聞で死刑囚永田洋子さんが獄中で病死したとの記事を目にした時、こころのどこかが哀しく、また「そうだったの」とどこかが軽くなった。親戚でも友人でもない私が、凄惨なリンチ殺人の犯人の彼女を「洋子サン」と親しげに呼んで …

再びミシマ

明日からシアターコクーンで始まる蜷川演出「ミシマダブル」の一方の芝居三島由紀夫の「我が友ヒットラー」のチケットの最後の一枚を買うことができた。もう一方の「サド公爵夫人」は既に完売。とても残念だが仕方が無い。 私はこの「サ …

はるとなり

詩人の高橋睦郎さんが、朝日新聞に書かれた文章を読んで、春隣(はるとなり)ということばを教えて頂き、何かとてもうれしい気分になった。 何故だろう?睦郎さんは「春隣と呟くだけでなんとなく華やいだ気分になる・・・」と書かれてい …

アイカワサンの明かりは春の光

昨年の暮れ、相川正明さんがお亡くなりになった。それも突然に。まだ還暦を過ぎて間もないのに・・・。 年が明けた3日と4日のお通夜とご葬儀で、大勢の方が相川さんの急逝に驚きと哀しみの表情を隠せず、最期のお別れをした。 純白の …

天使館 VOL Ⅱ

先日、国分寺裏の雑木林を散歩している時、ふと「天使館」VOL  Ⅱを創ろう、と閃いた。「天使館」とは、天使館に稽古に来ている人たちの文章を集めて、私が編集して発行した小冊子のことだ。とは言うものの、VOL Ⅰが出たのは、 …

初めてのパレルモ

10月28日付け朝日新聞夕刊に「マフィアのナンバー2逮捕」という記事を読んだ。見出しの下に、南部シチリアを拠点とする犯罪組織「コーザ・ノストラ」のナンバー2、メッシーナ容疑者の顔写真が載ってる。38歳の彼は、11年の逃亡 …

大野先生と月見草

確か、梅雨の頃だったと思う。大野先生のお父様がまだご存命でいらしたのだから、かれこれ40年以上前のことだ。 叡とふたりで、丘の中腹にある上星川の先生のお宅を訪ねた。先生は、大きなバケツに入った水を、庭の南側の斜面に何度も …