笠井叡 DUOの會 二〇二二年 ダンスの事件が再び蘇る!

笠井叡 DUOの會 二〇二二年 ダンスの事件が再び蘇る!

笠井叡のカラダの半分には、
大野一雄氏によって作られた身体性が厳然として存在している。

【上演作品】

笠井叡新作
「笠井叡の大野一雄」(初演)

笠井叡・大野一雄デュオ リ・クリエイト作品
「犠儀」(1963年)
「丘の麓」(1972年)
「病める舞姫」(2002年)

構成・演出・振付:笠井叡
出演:川口隆夫 笠井瑞丈 笠井叡 (語り部)

2022年11月
16日(水)19:30開演
17日(木)19:30開演
18日(金)19:30開演
19日(土)15:00開演
開場:開演の30分前

吉祥寺シアター
JR中央線・京王井の頭線・吉祥寺駅北口から徒歩7分

人間がダンスをするということは、それを通して、自分が生きているということ、自分が存在していることに対する「未知のリアリティ」を創造しえるという、無限の期待、憧れがある。生きているということは、何らかの意味でカラダを動かすことと結びついており、たとえ病床にあろうとも小指一本動かすことはできるならば、そこにある種の存在のリアリティを持つことができる。

ダンスの事件が再び蘇る!

笠井叡とその師:大野一雄が踊ったデュオ3作品「犠儀」(1963年)、「丘の麓」(1972年)、「病める舞姫」(2002年)リメイク作品と、新作「笠井叡の大野一雄」を発表する。

笠井叡の中に存在する大野一雄の身体性を川口隆夫が、笠井自身の身体性を笠井瑞丈がダンスする。二人に対する異なった振付方法を通して、笠井叡のカラダを二つの他者のカラダの中に沈めるという試みから、新しいダンスリアリティを創造する。

大野一雄(1906-2010)
1930年代から日本モダンダンスの先駆者等に師事し、舞踊家として活動を始めた。1960 年代に土方巽等とともに世界的にも全く新しい舞踊表現である「舞踏」と呼ばれる新たな舞踊形式を創出し、二十世紀の舞踊史に刻まれる優れた作品群を生み出した。

犠儀(1963年)
朝日講堂

「生と死の間に花が咲く」という言葉に大野一雄が共感し、デュオが実現した。19歳の笠井の死体を隠坊となった大野が焼くという内容で􁲉抽象ダンスでも具象ダンスでもない、その中間の「新具象ダンス」を摸索した作品。
 

丘の麓(1972年)
青年座

舞踊評論家の市川雅氏が「現代舞踊の異形」展を企画し、「丘の麓」はその第1回の企画展において上演された。松山俊太郎が所持していたビアズリーの原典を、澁澤龍彦が翻訳して話題になった小説をダンス作品として創作。大野一雄が客演し、ヴィーナスとしてデュオを踊った。
 

病める舞姫(2002年)
スパイラルホール

二〇〇二年に都内で開催された「JADEインターナショナルダンスフェスティバル」にて舞踏の創始者・土方巽を顕彰し、舞踏の現在を紹介する企画「土方メモリアル」にて原作・土方巽、振付/出演・笠井叡、特別出演・大野一雄にて発表されたデュオ作品。