2008.3.12

63年生きてきて、自分の日記を公開するなんて考えもしなかったこと。未知の惑星に飛び移る気分だ。でも面白いかもしれない。やってみよう!
今日は大根のおみおつけを作る。お味噌汁ではなく、おみおつけ。亡き母は何時もそう言っていた。因に私は大根のみそ汁が一番好きだ。あのシャキとした歯触り、ちょっと青臭い甘さ、なんとも言えない。聞いた話だが、最近子どもたちのみそ汁ばなれが加速しているとか。トーストのバターのほうが香ばしくて、しかも簡単なのかな?
昨年、夏の初めに母を送った。享年九十四歳。亡くなる一ヶ月前から食べなくなり、ひたすら夢うつつの状態がつづき、時折出てくる言葉は子どもたちに食べさせるご飯のことばかり「ごはんとおみおつけさえあれば・・・」
大正二年農家の三女として生まれた母はにとって、私たち5人の子どもたちに腹一杯白いご飯とおみおつけを食べさせたいといつも心を砕いていたのだろう。
“大根のおみおつけ”で思いだすのは、子どもの時に見た映画「ノンちゃん雲に乗る」だ。朝、原節子扮するかあさんが台所で「トントントン」と大根を刻んでおみおつけを作っているそのまな板の音をを、ノンちゃん役の鰐淵晴子が蒲団の中で聞いているシーンだ。早朝の朝の光と、トントントンの軽快な響き、プ~ンと匂ってくるみそ汁の香り。まだまだ貧しかった戦後日本の庶民の美しい朝の風景。