朝、キッチンの机の上に、可愛い聖母マリアの虫・テントウムシがいた❣️
シュッツトガルトの銀の森のお菓子屋さんにテントウムシのチョコレートがいっぱい並んでいる頃だけど、今年は?……と、心と体が重たい弱虫の私に、小さな体の黄金虫は何か言ってる。
ずっと以前あなたが私を見つけたころ、
私は小さい、ほんとうに小さい子供でした、
そうして菩提樹の枝のように
ただ静かにあなたの中へ花咲いていました。
私はほんとうに小さくてまだ何の名前もありませんでした、
そうしてただほのかなあこがれに生きていました。
今あなたは言うのです、私がどんな名前にも
もう大きすぎると。
すると私は、神話と五月と海と
ひとつになっている私を感じます、
そして私は葡萄酒の香りのように
あなたの魂を含んで重いのです………
R.M.リルケ『初期詩集』より (高安国世訳)