村山雄一さん

藤巻農園から今年の「葡萄便り」がきた………まだ七月、ずいぶん早いな………読んでみると「急な畑の規模縮小に迫られ、数量確保が難しく………数量限定、先着順でのお届け………」とあった。急いで、孫娘の所へ一件注文する。できるだけ多くの方にあの美味しい宝石のように美しい葡萄が届くよきますように…………。

脳梗塞でお体が不自由になられてからも、建築家としてお仕事続けていらした村山雄一さんが、今年五月に他界に逝ってしまった。

村山さんから、今は、わたしもあなたもヨチヨチ歩き「お互い 朽葉のように 地におちて いきましょう」というお便りが届いたのは、去年の初め。やさしい人だった。温かい人だった。強い人だった。Stuttgart では、我が男の子3人のおにいちゃん的存在。よく遊んでくれた。突然ドイツに連れてこられた息子たちは友だちもなく、兄弟三人だけで「明日のジョー」遊びの日々を過ごしていたので、村山さんが「日本で力石徹の葬式に行ってきた」とスラリと言ったから大騒ぎ………僕たちは力石徹の友だちを知っているんだぜ!何処にいても大丈夫、とドイツ生活に向かってジャンプ。

村山さん ありがとう!

私も、静かに、静かに、落ちる秋の朽葉のように、信頼して、落ちていきます。

 

「秋」    R.M.リルケ/富士川英郎訳

木の葉が落ちる 落ちる 遠くからのように

大空の遠い園生が枯れたように

木の葉は否定の身ぶりで落ちる

 

そして夜々には 重たい地球が

あらゆる星の群れから 寂寥のなかへ落ちる

 

われわれはみんな落ちる この手も落ちる

ほかをごらん 落下はすべてにあるのだ

 

けれども ただひとり この落下を

限りなくやさしく その両手に支えている者がある