色はいのち

夏日のように暑い一日。残り毛糸がいっぱい入ったまま捨ておかれた籠から、若草色、薄紫、あお、蓬色の毛糸をとりだして鍵編みをやっていたら、アキラが食卓の向こうから「ワンちゃんが編みものをやってるみたい」と言って笑っている……やってる私も自分の手をよくよく眺めて可笑しくなる。

天使館の隅に忘れられたように(キッチンの私の定席からは見えない)白い野薔薇が風にゆられているのが目に入った時………そうだ、色あそびしたい!と………できないと諦めていた鍵編みに挑戦………美しい色の毛糸をとりだして編んでみた。
掌の皮膚は薄絹のサテンのようにスベスベ………サボテンのように変形している指で……唇をひん曲げながらかぎ編をしている格好は、きっと滑稽に見えるだろう………でも頑張った………曲がった指先から、淡い色合いの小さいコースターができた、うれしい!

あきらめずに………明日も美しい色を生みだそう。