先日、小雨の降るなかを車椅子を押して歩いていたら、後ろから、泉のそばに住む農家の本多のおじさんが軽トラでやってきて、車の窓から首を出して「首が曲がっているから辛えだろう、いつも観察してるんだ」という声が聞こえた。咄嗟に私は「辛いの」とおじさんの方に顔も向けずに言ってしまった。
朝の外歩きで、史跡公園の周囲を歩き始めてもう何年になるのだろう? 初めは一人でカートにつかまり………今は車椅子を押して見守り付きで、ほぼ毎朝、外歩きをする。「散歩」と言わず「外歩き」と言うのは、1日一回外の空気に触れながら、ひたすら道路だけを見つめて歩くのみで「お散歩」とはちょっとちがうので………あとの時間は家の中から中庭を眺めて暮らす。
史跡公園の近くに無農薬の畑を持つ本多さんは、叡の小学校の一年先輩。朝、軽トラの荷台に朝の収穫物の新鮮な野菜を積んで、土地の人に安価で分けるために何度も往復している。私の外歩きに出会うと、いつも声をかけてくれる。
「首が曲がっているから辛えだろう。いつも観察してるんだ」という、ほんとうの言葉の温かさ。大切に心にしまっておこう。
