雨の一日……あれこれと思い巡らすこと。

私が新聞の切り抜きをするのは、亡くなった君子さん(あきらのお母さん)譲りだと思っている。君子さんはいつも新聞を端から端まで読み、政治記事、珍しい花、動物、風景の写真入りの記事、お気に入り化粧水の広告記事まで、無作為にノートに貼って持っていた。その気持ちよくわかるな………新聞の切り抜きしている時、わたしは、お母さん(君子さん)になったような気がする………不思議だけど。

最近の切り抜きー朝日新聞夕刊(2023年3月15日)

「『流水の天使』クリオネの涙」大見出し「進む海洋酸性化『主食』の巻き貝(ミジンウキマイマイ)消滅の恐れ」小見出し(というのかしら?)………本文に「体は半透明で、鮮やかな赤色の内臓が透けて見える」とあり、横に海中を遊泳する可愛いクリオネの写真が掲載されている。素敵な天使の写真!思わず切り抜く。でも、落ち着いて本文を読むと「素敵」などと言っていられない、人間の負の側面の記事。痛ましい現実。

川村毅さんの芝居で「クリオネー神なき国の夜ー」を観に行ったのを思い出した。あれから随分経ったけど、また芝居を観に行きたいなぁ。熊さんのように大きい川村さん、可愛い小鳥さんのような平井さん……どうしてるかなぁ…………。

ベットで、三好達治の詩 「魚」を読む。

魚の腹は

白ければ光り

魚の腹は

たそがれかけてふくらむ

 

魚のこゑ

ちいちいと空にきこえ

光れる腹をひるがへす

 

雲間に魚の産卵をはり

魚はうれしや

たらたら たらたら

風鈴のやうに降りてくる

 

温かく、純な、やさしいことばに、ホッとする。三好達治は、イナガキタルホと同じ1900年生まれ。

雨の日は、あれこれと思い巡らしながら水平生活。晴れの日を待つ。