今日からレジ袋が有料になるそうだ。もう久しくスーパーへ買い物に行っていないなぁ!コロナで外出自粛ではなく、もっと以前から、私の外出自粛は始まり………あぁ、ゆっくり一人で、好きな菓子とか果物とか探したいな、などと時々思ったりするのだけど………。
40年前、家族でドイツに移り住み、初めて近所のスーパーに食料品を買いに出かける時、アキラに「レジのおばさんに、グリュス ゴット(Glüß Gott )アイネ テュテ ビィッテ( eine Tüte bitte)とニコッと笑いかけ、最後に、チュス(Tschüß)と言えば、完璧、大丈夫」と言われた。ほんとかな? と思ったが、先ずは、10、6、5歳の男の子たちの胃袋を満足させなければ、とアキラが教えてくれた三つの言葉を口の中でモグモグ唱えながら、スーパーに向かったのを懐かしく思い出した。
Tüteはレジ袋。その当時から、ドイツではレジ袋が有料だったのだ。レジ袋をお願いするとレシートの一番下に〇〇ペニッヒと、ちゃんと記載されているのを後で知った。
Grüß got は、南ドイツ、オーストリアでの 「こんにちは(Guten Tag)」。私がベルリンでグリュス ゴットと挨拶したら、ベルリーナたちは「ヒサコがグリュス ゴットと言った❣️」とおお笑い。みんなにハグされた。北ドイツでは言わないそうだ。古臭く大袈裟な言い方なのだろう。でも、素敵な響きで私は好き。笑われても構うものか、今でもドイツ人に会うと「Glüß got!」が出てきてしまう。
「ウィーン、旧市街の小路にて」 長田弘
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グリュス・ゴット!
挨拶のなかに神さまのいる街
小広場のカフェで、メランジュを啜る。
刻がくると、塔の鐘の音が、
波紋のように、夕空にひろがった。
鐘の音は、天翔ける
ウィーンの死者たちの足音だった。