最近、ホームヘルパーのお仕事を始められたみな子さんが、鮮やかな黄色のミモザの花と新実徳英さんの「うたの不思議」という本を持ってきてくださった。その中か……
「十四歳」
谷川雁
はなびらのにがさを
だれがしってるの
ぴかぴかのとうだい
はだしでのぼったよ
かぜをたべた
からっぽになった
わたしいま十四(じゅうし)
うみよりあおい
はなびらのにがさを
だれがしってるの
だれが
それから、みな子さんが歌ってくれた、雁さんの詩を。うたって不思議………花瓶にいけたミモザも、部屋の白い漆喰の壁も、テーブルの茶碗も、本も、わたしのカラダも、美しい透明な声のひびきにうちふるえた。