「片山 健の油彩画展」に行く。

11月になってから、穏やかな暖かい秋の日が続いている。雑草だらけの中庭も植木のイノウエさんがすっかり綺麗さっぱりにしてくれた。葉っぱを落とし剪定した杏の木には、早速、シジュウカラが番いで飛んできて、何やら、チュチュと啄んでいる。明るい日差しを浴びて楽しそうだなぁ。

11月3日の祝日の朝、前から私が是非いきたいと心で願っていた「片山健の油彩画展ー濃密な記憶と懐かしい匂い」……でもひとりでは行けない………と心のなかで泣きべそをかいていたら、葛城真さんが一緒に連れて行ってくれると、車で迎えにきてくれた。わぁ〜うれしい!

ほんのり色づき始めた井の頭公園の木々を眺めながら武蔵野市立吉祥寺美術館へ。その日は片山中蔵さんのトーク「油彩画としての片山健を語る」がある。中蔵さんは、4年前、美しい言葉だけをそっと残して、サヨナラはいらないと言って、サッサッと青空の住人になった詩人片山令子さんと健さんのご子息。中蔵さんのトークを聞きながら………令子さんが会場に来ている………濃密な記憶と懐かしい匂い! 健さんの絵は、私の体をマグマのように熱くしてくれる。

この春「畑の中の野うさぎの滑走 一匹のトカゲが焼けた石の上を過った』という私の本を企画編集して出版してくれた葛城真さん。その本に光がこぼれるような美しい装丁を施してくれた片山中蔵さん。令子さぁ〜ん みんな一緒に歩いていますよぉ〜。

「この春の 花粉は、いつもの30倍といわれています。花粉彗星が地球に衝突するような騒ぎです。閉め切った私の部屋にも花粉は侵入し、私の水彩画にも花粉は塗り込められました。    片山 健 」