「石の夢」

令和3年大晦。携帯が壊れた。いよいよ外界との繋がりもフェイドアウトしていくのかな……⁉︎ 新しい年がやってくる……それもいいだろう………でも、倒れたら自力で起き上がれないし………今や、携帯は私の命綱(少々オーバーかな……) と、あれこれ思い巡らしていたら、私の携帯が繋がらないと言って、心配して電話をくれた方がいた。そうだよね、私の携帯は必需品だ。という訳で、やっと稽古なしの日がやってきたアキラがauショップにかけつけてくれた。ありがたいこと!
さて、どのような新しい年がやってくるのだろうか。
年の終わりに、また、ユルスナールの「ピラネージの黒い脳髄」の、私のカラダをワクワクさせてくれるあの文章を読みたくなる。
 
 さて、問題の《牢獄》を見つめてみよう。…………夢の特徴とはつまり、時の否定、空間のずれ、空中浮揚状態の暗示、不可能と和解した、あるいは不可能をのりこえた陶酔感、外側から幻視者の作品を分析する以上に恍惚に近い恐怖、夢のもろもろの部分および人物のあいだの目に見えない接触ないし関係の欠如、そして最後に、宿命的かつ必然的な美。さらに、ボードレール的公式にもっと具体的意味をもたせるとして、これはまさに「石の夢」なのだ。
来春3月世田谷パブリックで行う天使館公演「牢獄天使城でカリオストロがみた夢」を頭の中で夢想していると、まもなく、新しい年が巡って………。