『わたしは憧れに満ちている』

冷たい雨の祝日。外は静か………アキラは昨日からきょうとにWSに出かけている。レイジがわたしの面倒を見にきてくれた。ありがたい。

明日でロシアのウクライナ侵攻から2年。テレビで2年間のウクライナ市民の様子、破壊されていく街………人々の苦しみ、悲しみ、痛み、不安……を映し出した映像を観る。

1月末に注文しておいたSelma Meerbaum-Eisingerの詩集『Ich bin in Sehnsucht eingefüllt』が届いた。早速、17歳の彼女が書いた詩を読んでみる。

ねえ 知ってる 雨がどうやって泣くのか?
わたしは どうやって行くの? 怖くて 真っ青になって。
わたしは 知らない、何処に行くのか。
わたしは もうどれだけ怖いか わからない。
それはわたしの国なの わたしの国ではないの
夜はわたしのもの いいえ わたしが夜のもの
わたしの唇 こんなに真っ白 震えてる
ほんとに 泣いてるの?
(久子/試訳)

ゼルマがミハイロフカのナチスの強制労働所に送還され死亡してから八十年以上も経った。
ゼルマの愛した国ブコヴィナ(現在のウクライナ)は、今どこにあるのだろうか?

ブコヴィナ(現・ウクライナ)のチェルノビッツ生まれのユダヤ系ドイツ人。