ローマ・B&B「I PALADISI」のキッチンで

前回のブログを見ると、昨年秋のメキシコ公演から戻ってからの書いたものだった。それから今日まで何と8ヶ月の時間が、あっという間に過ぎ去り、今は、ローマのボローニャ広場駅の近くにあるB&B 「I PALADISI」のキッチンに座っている。もうここに来て10日が過ぎ去り、後4日でこことも「さよなら」するのだと思ったら、急に胸に迫るものがやって来た。私は、今までローマに、何回来ただろうか?
昨年5月にも、ここ「I PALADISI」のキッチンに座っていた。「蝶たちのコロナ」公演ののために12人のメンバーと共に滞在した。そして今年も再び、同じメンバーで「蝶たちのコロナ・イタリア語ヴァージョン」公演と、ワークショップのためにやって来た。ローマ側のメンバーであるマリアピア、サマンサ、アレクサンドラ、シュテファノ、シシリーに住む絹子、通訳のダイスケ。みんなと出会ってから既に15年以上過ぎた。毎回ローマに来ると、彼らと会い、食べ、呑み、おしゃべりをし、「またね!」と言って別れ、また当然のように再会を繰り返して来た。
また今回も「またね!」と言って、ハグして、次を約束して、別れるのだろうか。果たして、その次がくるのだろうか。
そんなことを、夢うつつの中で想い巡らしてると、ローマの友人、ローマの遺跡、空、風、街路樹、果物、パスタ、ワイン・・・が、はかりしれない大きな贈り物のように、圧倒的な勢いで私の身体の中に流れ込んでくる。情けないことに、リウマチの間接の変形に、加齢も加わって、次第に身体の不自由を感じて来た私に、果たしてその贈り物を受け止めることができるのだろうか、と思うと心もとないが、心の中で贈り物を開けると、不思議なことに不自由な身体が温かくなってくる。嬉しいな。感謝。感謝。