中庭の杏の枝から初々しい若葉が生まれて………狭い庭の雨に濡れた土の上のあちこちに桃色の花弁が散らばっている………お隣さんとの間の野薔薇がいつの間にか大きく成長してわさわさ揺れている………外は風が強そうだ。
家の中にいると………相変わらず暗いニュースが聞こえてくる………戦争は終わりそうにない。
遥か昔の20代の頃の愛読書(!)だったシモーヌ・ヴェイユの『根をもつこと』(冨原眞弓訳)を取り出して読む。当時のわたしはヴェイユのどこに魅せられていたのだろうか?
今日読み返して………自分の死を前にヴェイユが渾身の力で「言葉の概念」にむかう真摯な姿。
平気で「嘘」が蔓延し………「言葉」が壊れて………「嘘と誠」の境界が曖昧になっていく昨今………その曖昧さに慣れいく自分に……疲れて鬱的気分に落ち込んでいた私に……生き生きとした新鮮な水を与えてくれた。
34歳で生涯を閉じたヴェイユに心から感謝!
「義務の観念は権利の観念に先立つ…………。義務はあらゆる条件をこえた領域に位置する。この世をこえたところにあるからである。………」(『根をもつこと』からの抜粋)
いよいよ明日はゲーテ先生とナポリに行く……楽しみ!
