冬至に向かって………夜の闇は深くなり…………。

何故こんなに井筒俊彦著『神秘哲学』に惹かれるのだろうか。再読し始める。二度三度同じところを繰り返し読む。分かったつもりで読んでもすぐ忘れる。本文の至る所に赤や朱や紫や黄の色鉛筆で線が引いてある。

「神秘主義は……………かぎりなく遠く、しかもかぎりなく近い神、怒りの神と愛の神ー神的矛盾の秘儀を構成するこの両極の間に張り渡された恐るべき緊張の上に、いわゆる人間の神秘主義的実存が成立する。故に神秘主義は一つの根源的矛盾体験である。……………」序文から。

今日も1日暖かい穏やかな日。朝から植木の井上さんが中庭の伸び放題の植木の枝や雑草を瞬く間に刈り取ってくれた。あぁさっぱり! 天使館は『魔笛』の稽古。時々ダンサーたちが稽古の聖域から、中庭を通って日常空間キッチンにやってくる。ほっとした表情で………美しい。
食事介助のヘルパーさんがポストから新聞を持ってきてくれた。
イスラエル軍が「ハマス地下トンネルに注水開始」という記事。トンネル内には人質がいるらしい。胸が苦しい。

冬至に向かって、どんどん日が短くなり夜の闇が深くなり…………。