手紙(80.9.21) 学費免除のお知らせ

Stuttgartから国分寺の母(アキラのお母さん)に送った手紙のほとんどが、簡易封筒(いわゆるミニレター)に書かれている。ドイツの簡易封筒は、確か文房具屋さんで、何枚もまとまった一冊を購入したように記憶している。ブルーのミニレターの上に、60ペニッヒと50ペニッヒ(ベルリンの壁崩壊前のマルクの時代)を貼って、投函した。日本からのお母さんからの手紙もミニレターで、郵便局で購入したレターの上に、既に切手の図柄と120円と印刷されていた。時々、簡易封筒を買い忘れ、封書で出した手紙は、50ペニッヒを3枚貼った。ミニレターが1マルク10で、封書が1マルク50というのが、高いか安いか分からないが、当時は、その1マルク10に、出来るだけ細かく生活の思いをのせて書き綴った様子がうかがえる。メールでリアルタイムで相手に思いを伝えられる今日とは、随分違う。
9月21日(日曜日)
9月に入って、こちらは再び夏のような暑さと晴天に恵まれています。・・・・・・・さて、チカシとレイジの学校が始まって2週間目の日曜日。日本に居たときと違って、週末の嬉しさはひとしお。土曜日は、ミツの幼稚園がお休みなので、二人で市電とバスに乗り、クレアヴァルトまでレイジを迎えに行き、帰りに3人でNanz(スーパーの名前)で、2日分の食料を買い、手分けして家まで運ぶのです。こちらでは、土曜日の12時から翌日曜日丸一日何処もかしこも店は閉まってしまうのです。おまけに、ドイツ人は、土日は家族揃ってお出掛けしたり、友人を招待したりして愉しむ日。安息日ですものね。我が家でも、土曜の晩は、翌日は寝坊できるとあって、親子共々何となく、うきうき気分で、トランプをして夜更かし。今朝は、何と10時に、ロベルト君の呼び鈴で起こされました。彼は、家族でシュベービッシュアルプに、くろイチゴ採りに行くので、チカシを誘いにきてくれたのです。チカシが大喜びで出掛けてしまった後、おいてきぼりのレイジとミツは大層不満顔。そこで、アキラがジルベール・ヴァルト(銀の森)に、二人を連れて、お弁当を持って出掛けました。そこで、やっと独りになった私の出番です。基本的に安息日には、仕事をしないのが礼儀のようですが、キリスト教徒ではない私は、そうもいかず、1週間のチリホコリをすっかり掃除しなければなりません。(平日はその時間はありません)兎に角、彼らが帰ってくる前に、すっかりと爽やかにしておこうと、また、明日からの毎日に備えて、大忙しです。
さて、チカシもレイジも毎日元気に学校に通っています。チカシの今のエポック授業(基本授業)は絵で、レイジは、1年生なので基本授業だけでお終い。11月からは、英語とロシア語を勉強するそうです。ミツのお迎えは、毎日ですが、レイジのお迎えは、そろそろ1人で帰れるようにしようと思います。ドイツ人に言わせれば「何と非常識な親か!!」と言うでしょうけど、致し方ありません。私のリウマチは、今のところ、週1回の注射とクスリで何とか治まっています。規則正しい生活が何よりで、友達が、音楽会や講演会に誘ってくれるのですが、自分の身体のことを考えると、積極的になれず、情けないです。他の人から見ると、とても元気そうに見えるのでしょうね。でも、外国生活で母親が病に伏したら、子どもたちはとても可哀想だし、折角の新しい生活が楽しくありませんものね。安全第一と考えています。という訳で、日本に居たときのように、寝込むことも無く、朝の痛みを我慢する程度です。ではまた書きます。久子
追伸:クレアヴァルト・ヴァルドルフシューレのチカシとレイジの学費は、全額免除というお知らせがありました。ありがたいことです!!