上村なおかのソロ

同じように、春が再び巡ってきた。桜の開花宣言と緊急事態宣言の解除と睨めっこしている。庭には春の陽光がいっぱい。いつの間にか、ライラックの濃紫色の芽の先は白味をを帯び………いつの間にか、壊れつつあるリウマチカラダの内に美しい春の光が差し込んで……。
天使館で、上村なおかのソロを観た。
気がつくと、中庭の扉から螺旋状にねじった体に自然を丸ごと引き連れて入ってきた。漆喰の白壁と白木の床の空間に、ダンサーの内なる自然が現れる。床の感触、微かな空気の揺れ、喉の奥底から聞こえる声、痙攣する指先、飛び跳ねる足先……窓を開ける。突然、闇が覗き込んできた。荒々しい呼吸、遠い体の記憶、幼い頃の……。
いつの間にか、私の体もダンサーの内なる自然のなかで、呼吸し、感じている。静かな時間。時間を超えた時の流れ……。宇宙を内包する女性存在の強さ……。
 
春爛漫。うれしくもあり、おそろしくもありのヨワムシヒサコさん。

国分寺の桜の園
国分寺の桜の園
明日はどんな天気かな?