福山知佐子画集『花裂ける、廃絵逆めぐり』

福山知佐子さんから、画集「花裂ける、廃絵逆めぐり」を頂いた。チューリップ、タンポポ、アネモネ、スイセン、コスモス………が、朽ちていく様を描い素描が、ページをめくるごとに次々と現れる。花弁は縮れ、葉は捩れ、茎はくねくね曲がっている。彼女が描く鉛筆の線の一本一本を丁寧に見ていると、不思議に私の壊れていくカラダが踊り出す。死に向かって、私は永遠の時間を生きている。凄いな! 
 花とは何か? 花は、生けるものが世界に向けてかくも開かれてあるところ、生けるものが我を忘れているところにある
                    ージョルジュ・アガンベンー 
                    「花ー福山知佐子の絵画のために」より