純粋であること

昨夜、天使館で鈴木ユキオくんのダンスを観た。夜、夢で「純粋であること」という声を聞いたような気がした。ユキオくんのダンスと関係があるのかないのか分からないけど…………。
天使館という白いキャンバスの上に、ダンサーは、B5の鉛筆でひたすら線を描いていた。意図を消し、解釈せず、薄暗い闇の中で、ただひたすら………。
今日、梅雨前線の大雨で、九州地方の人々が、コロナ禍の上、またしても大きな被害を受けている。どう考えても、心が重い。
久しぶりに、リウマチの整形外科の主治医の診察を受けた。人工関節を入れた右膝はバッチリ。左膝はグラグラ。崩壊するのは時間の問題、と主治医は言う。
さてどうするか?with コロナの新しい生活様式をどう生きていけるだろう。帰り、車のフロントガラスを叩きつける雨の音を耳にしながら、うつらうつらしていると、目の前に前夜のユキオくんのダンスがあらわれた。
意図せず、解釈せず、ただひたすら………純粋であること。
心のなかで、何時もそうありたいと願ってはいるものの………
    二つの牧草地に………
  二つの牧草地にはさまれて
  どこへも通じていない道、
  まるで、じょうずにその目標から
  そらされてでもいるように。
  しばしば自分の前に
  純粋な空間と
  季節よりほか
  何も持たない道。
        R.M.リルケ「フランス語の詩」より 高安国世訳